無垢材で天板などの広い面を作ると、ほんとに目ン玉が飛び出るんちゃうかってぐらいの金額になる。
できればすべて無垢材で天板を作りたいけど、(そんな金はないので)できない。
そんなときに強い味方になってくれるのが「突板」と呼ばれるものだ。
すこーし家具とかに詳しくなってくると、突板ってなんか「見てくれだけやん」ってちょっと下に見がちかもだけど、その気持ちはちょっとわかる。
でも家具屋とかで売られているけっこう高い家具でも天板は突板貼りのモノだったりすることは多い。それぐらい広い面を作るときには重宝されている。
天板なんかの広い面に無垢材を使うとリアルに一桁ぐらい金額変わってくるんとちゃうか。
ホームセンターとかで売られている安い棚とかは突板ではなくプリントだからダマされてはいけない。
DIYerの必須になってくる突板だけど、けっこう簡単に貼れるし楽しいのでぜひ使ってみて欲しい。
そんな突板の貼り方を鬼解説したい。
突板の種類
一言に突板と言ってもお店によっていろいろ種類があるみたいだけど、僕がいつも買っているネットショップの「ツキ板屋GIFU」で扱っているものを中心に紹介する。
ちなみに突板を買うのはいつもこのGIFUさんでしか買ったことがない。地元のホームセンターとかには売られていない。都会のホームセンターは(行ったことがないので)知らない。
突板を手にいれるにはやっぱりネットショップがベストだと思う。特にGIFUさんの突板は樹種も多くておすすめ。
突板シート(イージー)
ツキ板屋GIFUで販売されている「突板シート(イージー)」は、0.25mmの薄さにスライスした天然木に樹脂含浸紙を貼り合わせたもの。
厚さは0.5mmほどでしっかりとした厚みがあって、ハリがあり貼り合わせるときにもシワになりにくいし透けにくい。
貼り合わせには別途アイロン専用ボンド(コニシCH7)を使えば広い面積にも貼りやすい。
僕がよく使っているタイプはこれ。
突板シート(ノーマル)
「突板シート(ノーマル)」は、0.25mmの薄さにスライスした天然木に和紙を貼り合わせたもの。一般的に突板というとこのタイプを指すことが多い。
厚さは0.3mmほどでツキ板屋GIFUで販売している突板シートの中で最も薄い。
その薄さから光の透過量も多いためランプシェードや照明の制作にも使える(らしい)
突板シート(クイックタイプ)
「突板シート(クイックタイプ)は、0.25mmの薄さにスライスした天然木に和紙を貼り合わせ、さらに粘着シートが付いているもの。
薄い突板に粘着シートがついているので、シールのような感覚でプラスチックやガラス、アクリルに貼ることができる。
小さいサイズなら貼りやすそうだけど、大きい面積に貼るのはめちゃくちゃ難しいんじゃないかな。僕は使ったことがない。
突板の貼り方
突板シートの貼り合わせは難しそうに思えるかもしれないけど、やってみると意外と簡単だし、突板シートを活用すればDIYライフの幅が大きく広がることは間違いない。特に広い面材が必要な場面ではめちゃくちゃ重宝する。
僕も子供の入学に合わせて作った勉強机の天板はラワンランバーコアに突板シートを貼って使った。
オイル仕上げだし、子供が1年以上使ってるってこともあってけっこう汚れてるけどまだまだ全然使えてる。
突板シートを貼ったあとラワンランバーコアの木端を隠すように、同じ素材の木材で周りを巻いたので良い感じになったと思う。
突板の貼り方を説明するので、ぜひ一度やってみてほしい。
準備するモノ
突板シートを貼るために必要なものは以下のようなもの。
今回使う突板シートは僕がいつも使っているツキ板屋GIFUさんの「突板シート(イージータイプ)」を使った。
基材は木質のものならなんでも良いんじゃないかな。今回は練習もかねてSPFの角材を使ったけど、普通はあまり角材に貼ることはないと思う。
普段は基本的にラワンランバーコア材とかの表面に貼ることが多い。
ローラーはボンドを伸ばすのに使うんだけど、ペンキ用の毛足の長いやつじゃなくてスポンジになっているやつを使っている。地元のホームセンターで安いやつを買った。amazonなら下のローラーかな。
ヘラはなんでも良いんだけど、なんやったら別にヘラじゃなくても良い。突板シートを貼り合わせるときに空気を抜くようにしごけるものならなんでも良いと思う。
僕は安いプラスチックのヘラに布を巻きつけて使っている。そのまま使うと突板シートの表面に傷が入りそうなので防ぐために布を巻いている。
アイロン用ボンドはコニシボンドのCH7を使う。CH7は業務用の20kgでしか売ってないのが残念。ツキ板屋GIFUではCH7を小分けにして販売しているのでそれを買っている。
アイロンはマジでなんでも良い。面が汚れてなければなんでも良い。
突板シートをカットする
まずは突板シートをちょうど良い感じのサイズにカットする。僕はいつも基材を突板シートの上に置いて、鉛筆で型をなぞったあとハサミで1cmほど大きくなるようにカットしている。
ボンド(CH7)を塗る
ローラーを使って1回目のボンドを塗る。
塗る材料の上に適当にボンドを垂らしてローラでころころ塗るだけ。特に何も気にせずに塗れば良いけど、ゴミが入らないようにすることと隅までちゃんとボンドが行き渡るように塗ろう。特に隅や端っこは念入りに塗るイメージでやっている。
同じように突板シートの裏面にも全面にボンドを塗ろう。
基材と突板シートにボンドを塗ったら一回乾かす。
透明になればOK。夏なら10~15分ぐらい、冬なら30分ぐらいかな。
ボンド(CH7)の重ね塗り
ボンドが乾いたら念の為ボンドを重ね塗りする。しなくても良いらしいんだけど、しっかり貼り付けたいときは2度塗りしている。
ボンドを2度塗りした後は8割乾きぐらいまで乾かす。
突板シート貼り合わせる
ボンドが8割乾きぐらいになったらシートを重ね合わせる。重ねても普通のボンドのようにくっつかないので位置決めは難しくない。
位置が決まればヘラで空気を抜くようにしごくような感じで貼り合わせる。
その後はお待ちかねのアイロンを使って貼り合わせていく。
CH7はおよそ80℃で溶けて接着されるので、アイロンの設定温度は100℃〜200℃ぐらいに設定するとよい感じ。
設定温度が高すぎると突板シートが焦げる原因にもなるので100℃あたりでやったらえんとちゃうかな。
ちなみに僕のアイロンには具体的な温度設定がなく「低・中・高」しかないので中にしていつもやっている。急ぐ時は高でやることもあるけど、突板が焦げたこともないし、そんなに難しく考えなくてもいいと思う。
他に注意することは、アイロンをかける前に表面にゴミがないか必ず確認しておくことと、焦げ防止のためアイロンは常に動かすようにしよう。
特に角や端っこがくっつきにくいので、念入りにアイロンをかける。
思ってるより焦げたりはしないので難しく考えずにやっても大丈夫。
突板シートのカット
突板シートの貼り合わせが終われば、はみ出した突板シートをカッターでカットしていく。
カッターマットなどの上に裏返して置いてはみ出した突板シートをカットしていく。
カッターで突板をカットするときにカッターの刃が内側に入り込んでしまう可能性もないとは言い切れないので、気持ち外側をカットするようなイメージでいつもカットしている。刃が内側に入り込んじゃうと全てが終わるのでなんやかんや気を遣う。
少し残ったとしても後で棒巻きサンドペーパーでやすりがけすればキレイになるので、刃が内側へ入り込むよりは外側を大きくカットした方が全然救いようがある。
最後にサンドペーパーで揃えると木端もキレイになる。
突板シートを貼るのはこれでおしまい。
表面だけを見るとまるで無垢材。表面だけやけど。
この後は突板シートの表面に軽くサンドペーパーをかけてオイルを塗るなどして仕上げをしよう。
サンドペーパーは400番ぐらいでいつもやっている。突板は薄いからサンドペーパーをかけるとすぐに削れて下地がでるんちゃうかって思うかもだけど、そんなに神経質にならなくても良い。
普通に表面にサンドペーパーをかけるぐらいなら下地がでるまで削ってしまうことはない。ただ突板にサンドペーパーをかけるときはランダムサンダーなどは使わずに棒巻きサンドペーパーを使って手でかけるようにしている。
オイルの塗り方は特に突板用に特別なことはなく、普通にオイルを塗り込めば問題ない。
無垢板と同じようにオイルを塗るとめっちゃキレイになる。
木端・木口の処理が必要
突板シートをラワンランバーコアなどの合板に貼った場合、無垢材と違って木端・木口の断面が気になる。
処理の仕方としては、同じように木端・木口にも突板シートを貼る、木口テープを使うなどあるけど、僕はだいたい木端・木口部分だけに無垢板を貼ることが多い。
あんまり参考になる画像がないんだけど、今作っている棚もラワンランバーコアにシナ突板を貼ったので、木端やら木口を隠すのにバーチの薄板を貼っている。
薄くても無垢板を貼るとやっぱり雰囲気がでて良い感じになる。(と思ってる)
突板は便利
普通にDIYをする分にはあまり突板って馴染みがないかもしれないけど、使ってみるとDIYの幅が広がることは間違いない。
木端や木口の処理の手間はあるけど、手軽に処理をするなら木口テープになると思う。
天然木の木口テープもあるので試してみてほしい。
今回は説明がてら小さな基材に突板を貼ったけど、もっと大きな面でも同じやり方でできる。
幅1800の棚を作ってて、表面にシナ突板を貼ったけど同じやり方で問題なくうまくできた。
けっこう楽しいし、ぜひ試してもてほしい。