ものづくり

額縁(フォトフレーム)をDIY〜額縁の作り方〜

DIYを始めたときから思っていたことがある。額縁を作ってみたい。

子どもの写真も増えてきたし、自分で作った額縁で子どもの写真を飾ってみたいってずっと思ってた。無垢のシャレ乙な額縁を作ってみたい。

子どもの七五三の時の素敵な写真があるので、この写真を飾るための額縁を作ってみようと思う。

額縁の角をナナメ45°にくっつける留め継ぎが難しいなってずっと思ってたんやけど、ある程度経験も積んだし、なんといっても道具が増えたしイケると思う。

とは言ってもDIYだし、製品レベルまでの精度を求める必要もないっちゃない。

ということで練習がてら額縁を作ってみることにした。

使った材料

今回はもともと家にあった壊れかけの額縁の裏板とかを使って作ってみることにした。

とは言っても金具とかは楽天市場とかamazonで売っているし、裏板は2mm~5mmぐらいのベニヤ板ならなんでも問題ないと思う。写真を押さえる透明な板は塩ビ板やアクリル板で良い。

額縁本体で使う材料

今回は繊細なおしゃれな感じに作りたかったのでオークじゃなくてブラックチェリーを使うことにした。

ブラックチェリー材

簡単に材料を揃えるなら「マルトクショップ」さんのようなネットショップのカット販売を利用するのが良いと思う。

指定サイズにカットしたうえでキレイにプレーナー掛けされた状態で届くのですぐに使うことができる。手押しカンナや自動カンナなどの機械が無ければカット販売を使うのがベストだと思う。材料の厚さも自由自在だ。

金具とか裏板

今回は家にあった壊れた額縁の部品を一部流用した。

裏板を止める金具はamazonで買った。トンボという金具らしい(初めて知った)

トンボ-amazon-

裏板はとりあえずホームセンターでベニヤ板を買えば問題ないし、透明の写真を押さえる板はエンビ板やアクリル板を買えばOK。

額縁の作り方How to

材料が揃えばさっそく製作にとりかかっていく。まずは簡単に図面を書いた。

めちゃくちゃシンプルなよくある形にした。

カット

まずは材料を指定のサイズにカットする。

僕はテーブルソーを使って材料をカットした。

カットしたブラックチェリー

テーブルソーがあると同じサイズの切り出しが簡単かつスピーディーにできるのでめちゃくちゃ助かる。でもテーブルソーを持ってるのはヘビーDIYerだと思う。

マルトクショップさんのようなネットショップの木材カット販売を利用すれば、この工程はすべてすっ飛ばすことができるのでオススメ。

マルトクショップさんは樹種といいホームページのインターフェイスといい、カット販売の王者だと思ってるけど、なんせ納期が長い。この前も長い材料が欲しくてマルトクショップさんで注文したけど、届くまで1ヶ月ぐらいかかるっぽい。納期が短縮されれば完璧だと思う。

テーブルソーがなければスライド丸ノコがあればいろいろ捗る。45°のカットもできるし。

まぁスライド丸ノコもけっこうヘビーDIYer向けだと思うけど、本格的にDIYをするならあったほうが良い。

入門用のスライド丸ノコとしては、ハイコーキのFC7FSBがコスパ良くておすすめ。

ハイコーキ卓上スライド丸ノコ(FC7FSB)-amazon-

僕も使ってるけど、ハイコーキのこのスライド丸ノコは精度も高いのでめちゃくちゃ活躍している。

材料がカットできれば、額縁の内側の部分を面取り加工していく。

まず内側部分だけ面取り加工する理由は、四角に組んだあとから内側面取りすると直交部分の面取り加工が難しいから。

外側については製作途中で傷など入る可能性もあるし、完成した後でもトリマーの面取り加工は問題なくできるので最後に加工することとした。

まずはトリマーに45°面取りビット(ベアリング付き)を装着し、内側になる部分を45°で面取りする。幅は2~3mmほどで面取りを行った。

トリマーに45°ビットを装着

45°面取りが終われば、裏返して写真などを押さえる切り欠き部分の加工を行う。

切り欠き部分の加工には、6mmエンドミルとストレートガイドを装着し加工を行った。

トリマーに装着したストレートガイドとエンドミル

切り欠きの幅は3mm、深さは6mmになるようにエンドミルで加工した。深さは3mmずつ2回に分けて6mmになるように加工を行った。

額縁の内側の加工が終わったらこんな感じになる。この段階で棒巻きサンドペーパーでやすりがけをしておいた。

留加工

額縁製作で一番難しいポイントがこの留加工の部分だと思う。

留加工とは45°同士にカットしたものを合わせて、直角にしている部分だ。

45°の留

この留加工を完璧にするのはめっちゃ難しくて、最近は100均の額縁とかでもこの留加工で作られているものもあったりするけど、100円で作っているのが信じられない。

ただ売っているものでも完璧な留になっていなくて隙間があるやつもあったりするから、やっぱりけっこう難しいんだと思う。

45°のカットがずれちゃうと隙間ができるのでここはミスれない。

別に枠を四角に組めれば良いので留めにこだわる必要はないかもだけど、留めで作られているとやっぱりかっこいい。

この留加工をするにあたって、この留型スコヤは必ず持っておこう。個人的にはシンワ製を買っておけば間違いない。

シンワ留型スコヤ-amazon-

シンワの45°を信用しているので、カットしたあとは留型スコヤをあてて45°になっているか確認している。

45°のカットはスライド丸ノコがあると便利。

ハイコーキのスライド丸ノコ(FC7FSB)で45°カットしたけど、ほぼほぼ完璧な45°が出ていた。

僕はさらなる精度を求めてディスクサンダーを使って45°を出した。

ディスクサンダーがあると木口の微調整は完璧にこなすことができる。精度を求めるなら持っていて間違いはない。(けっこう高いけど)

このプロクソンのディスクサンダーはサンダーの部分が鉄板になっていて、専用のサンディングペーパーを両面テープで貼る仕様になっている。

何が良いかってサンディング部分が鉄板なので、材料を押し付けた時にたわむことがなく精度の高い加工ができることだ。

よくあるマジックテープ式だと材料を押し付けた時にマジックテープが平面にならないので、精度の高い加工はできない。

プロクソンディスクサンダー

まぁどこまで精度を追い求めるかは完全に自己満足の世界に入ってくるので、自分が満足するところまででやれば良いと思う。

四角に組む

ここまで加工ができれば、あとはボンドで接着して額縁の形にするだけだ。

いつも使っているボンドはタイトボンド3。ユーチューブとか見てても良く使われているし、ほとんどこれを使っている。

気合いが入っていない物のときはコニシの白ボンドを使う。

タイトボンド3で接着

45°の留の接着はクランプが使えないので、いつもビニール紐を使って接着している。

ボンドを塗ったらくっつけた後、ビニール紐を軽く周りにかける。

そんであとは、ペンやらドライバーやらを引っ掛けて捻っていく。

捻れば捻るほど締まっていくので、これで十分テンションをかけることができる。

これもユーチューブで教えてもらった。ユーチューブはめちゃくちゃ勉強になる。

留の部分も隙間なく、コレほぼほぼ完璧じゃねーかってぐらい良い感じにできててよかった。

カンザシを入れる

額縁といえばカンザシやと個人的に思ってる。

デザイン的にも良くなるので、留加工をした場合はとにかくとりあえずカンザシを入れている。

カンザシを入れれば強度も増すけど、小さい額縁ぐらいならボンドだけでも十分な強度になるんじゃないかな。

今回はデザイン的な意味でカンザシを入れる。

カンザシをいれる方法はいくつかあると思うけど、僕はいつもテーブルソーを使ってる。昔は丸ノコでやっていた。

ランバーコア材に90°になるようにベニヤを貼った治具を使って、こんな感じでやっている。

テーブルソーを使ってカンザシ加工をする

表側から1回切り込みを入れて、裏返して裏側からもう1回切り込めを入れれば、センターの位置に切り込みができるハズ。

両側から同じことを繰り返すことでセンターを出す方法は、いろんな場面で使うので覚えておいて損はないと思う。

カンザシの切り込みの幅をデジタルノギスで測る。

デジタルノギスで幅測定

4.92mm。

そしたらカンザシとして使う材料も手押しカンナや自動カンナを使って厚さを揃える。

今回使うのはブラックウォールナットの端材。昔ネットで安かったのをある程度まとめて買ったヤツ。

4.94mm。そしたら金槌で叩いて軽く潰す感じで木殺しをして

ハンマーで木殺し

ボンドを塗って、カンザシにハメ込む!

ボンドが乾いたらアサリのないノコギリ(クラフトソー)で不要なカンザシ部分をカットする。

カットした後、棒巻きサンドペーパーで納得いくまでヤスリをかける。さらに番手を上げてヤスリをかければスベスベになって気持ちいいぞ。

仕上げのヤスリ掛け

あとはサンドペーパーをひたすらかけていく。

気をつけたいのが留め部分などの直交している部分のヤスリがけ。

棒巻きペーパーなどの手でヤスリがけを行うと、木目が直交している部分でどうしてもキズが目立ってしまう。

こんなときはオービタルサンダーかランダムサンダーがあれば問題なくヤスリがけを行うことができる。

オービタルサンダーとランダムサンダーどっちでも良いけど、僕はランダムサンダーをオススメする。

でもオービタルサンダーの方が安い。

ランダムサンダーで微妙な目違いなどがなくなるまでヤスリ掛けを行えば、ほぼほぼ出来上がりが見えてきた。

ついでに最後に外周をトリマーで微妙に45°面取りをした。わずかでも面取りをするとちょっと良い感じになる気がする。

オイル塗り

最後はオイルを塗り込む。これが一番楽しい。

やっぱり広葉樹にはクリアーのオイルが一番美しいと思ってる。

オイルを塗ってヤスリをかける…繰り返すことで撫で回したくなるほどヌルスベになる。

使っているオイルはリボスのアルドボス。最近はほぼほぼこれを使っている。

リボス アルドボス-amazon-

オイルを塗るのにコツも何もない。ショップタオルにオイルを染み込ませて塗りこんでいけばいい。

SCOTTショップタオル-amazon-

ショップタオルはアマゾンで買うよりホームセンターで買った方が安いと思う。少なくとも僕の地元ではアマゾンより安い。

オイルを塗った上で耐水サンドペーパーをかけるとさらに良い感じに仕上がるで。

見てくれ、まるで生命(いのち)が宿ったかのように見違えるやろ。

金具の取り付け

オイルを塗って1晩か2晩おいてある程度乾いたら、額縁の裏面に金具(トンボ)を取り付ける。

アマゾンで買ったトンボを取り付けるだけなんでコツも何もないけど、広葉樹を使った場合はビスを打つ前にちゃんと下穴を空けた方が良い。

広葉樹は硬すぎて下穴を空けないとビスが入っていかない。

下穴を空ける時はドリルが貫通しないように慎重にやったほうがいい。貫通したら今までの全てが水の泡になってしまうで。

完成

あとは組み立てれば額縁は完成だ。

好きな写真を部屋に飾ろう。無垢で作った額縁はやっぱり高級で華やかな感じがする。

額縁はシンプルな形だけど、留め加工だったりカンザシだったりといろいろと今までやってきたことの練習ができてよかった。

工夫次第ではもっと簡単にできると思うし、挑戦してみると良いかも。

実際にやってみて思ったより手間がかかって大変だったけど、作るのは楽しかった。

これから挑戦する誰かの参考になれば嬉しいと思う。

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